経営者に言いたい!


人は人を縛れるか


はたらく=給料。

労働者と使用者(経営者)はそんな単純な関係なのでしょうか?

様々な会社で団体交渉に臨んでいると、労働者や会社をただの 『金を産む機械』 としか思っていないのではないか、と思わせられる使用者が結構多く存在します。そこには、『使う側=偉い人』 『使われる側=弱い人』 という感覚が強くはびこっています。

しかし本当に仕事を動かしているのは、わたしたち血の通った人間です。デスクのプリンターが調子よく印刷物を吐き出したとしても、元になるデータは人間が手足と心を使って作り上げたものです。もちろん、使用者も家に帰れば家族に笑顔を向けるであろう一人の人間です。つまり、労働組合の存在を待たなくても労働者と使用者は対等な立場にあるのです。


心のやりとりが足りない


電話などでの労働相談を受ける中で、はたらく人々の中に 『いろいろあるけど、今の世の中で仕事があるだけありがたいし……』 と、使用者に対して感謝の念を持っている人が多くいらっしゃいます。

一方、使用者の皆様はいかがでしょう。大きな会社だと使用者に会う従業員も少ないかもしれませんが、ほぼ毎日顔をあわせるような会社で使用者から 『おつかれさん、今日もありがとう』 と言われた従業員がどれだけいらっしゃるでしょうか。

今こそ巨額の利益をため込んで問題になっている大企業、その歴史をひもとくと、『従業員がいなければこの仕事は成り立たない。従業員がいてくれてこその成長だ』 という強い思いで事業を大きくした創業者にたどり着くこともあります。

使用者のみなさん。弁護士や社労士と労使関係を議論する前に、いや、議論しながらでもいいです。わたしたち労働者もあなたと同じ人間だということを思い出してください。『ここで働いてくれてありがとう』 と言ってくださいとまでは言いません。ただ、わたしたちがあなた方からいただく給料を頼りに生活していること、守るべき健康があること、帰るべき家族がいること、そんなことを少し思って欲しいのです。


正しい労使関係が生み出すもの


健康的で正しい労使関係は、わたしたち労働者に健全な生活をもたらします。

そして、はたらくことへの大きなモチベーションをもたらします。このことは生産性の向上につながり、労使双方に良い結果をもたらします。

一見面倒に見える労使関係の健全化ですが、生き物としての人間にたとえれば、心の健康と体の健康を同時に満たすようなことだと思います。どちらが欠けても健全に暮らすことはできませんよね。逆にこれが満たされれば、非常に健やかに過ごすことができます。

わたしたちの行動は、何も会社を追い詰めるためのものではありません。労使双方に良い結果を出すためのものです。このことをぜひご理解いただいて、わたしたちの要求に耳を傾けて欲しいのです。