解決事例:ストライキ決行で要求をすべて実現!


2011年4月、医療法人会紘淳会(下記註)と(有)中野メディカルサプライではたらく職員さんたちが全労連・全国一般労働組合鹿児島地方本部に加入し、分会を結成しました。

註:医療法人紘淳会が擁する事業所

  • とまり泌尿器科
  • 老人保健施設フェニックス
  • グループホームフェニックス

※ 本事案は報道で人々に広く知られる事例ですので、法人名・事業所名を明示して掲載いたします

以下に述べるような多くの労働問題を解決し、健全な職場づくりをめざしてのことです。個々人に対して決して無理に加入を勧めることはしませんが、問題意識を持つ職員さんは多く、早期に組織率が過半数を達成しています。


つのり、ふくれあがる不満


向上のない待遇

結構長く勤める職員さんもいるのですが、採用以来、昇給が一切行われないままの状態が続いてきました。


ずさんな勤怠管理

タイムカードの設置どころか、出勤簿に出退勤の時刻を記入することすらしませんでした。ただ、『出勤しましたよ』 という意味の個人印を押すだけです。


制服は古く、くたびれたまま

職場から貸与された制服は、三年間でたったの二着でした。かろうじて洗い替えが確保できるだけという状態で制服はすり切れ、『清潔さが求められる医療・介護の現場』 にはほど遠い状態です。またウィルス等に触れる可能性がある職場ですので、洗濯のために持ち帰れば家族への感染というリスクもつきまといます。

このように従来から多くの問題を抱えていましたが、法人側に聞き入れてもらう術(すべ)がなく、不満はふくれあがる一方でした。


健全な労使関係はまず交渉から、との願いを込めて


上述のような経緯から職員さんたちは全労連・全国一般労働組合 鹿地本に加入し、法人側との対等な話し合いができる立場を確立しました。

しかしその後、職員個々人に対して組合員であるかないかの探りを入れてきたり、組合員に対する降格人事を強行したりといった明らかな不当労働行為が頻発しました。さらに法人側の行為は団体交渉拒否に及んだため、鹿児島県労働委員会の協力のもとに団体交渉の席に着くよう求めました。


職場を混乱に陥れる法人側の対応

しかし、団体交渉の前日に法人側より延期の申し入れがありました。翌日(元々の団交予定日)には、法人側は弁護士と社会保険労務士を解任しました。

さらには大規模な人事異動と勤務体制の改定(事実上の改悪)を強行します。業務の正常な遂行が困難になるような勤務体制や、『事務職が厨房へ』 といった退職強要を伺わせる異動により、職場は大きな混乱を招きました。いずれも、数日の猶予もない乱暴なものです。

事態の異常さと緊急性は重く、非番の職員さんたちは地本役員とともに、異動と勤務体制を元に戻すよう緊急の申し入れを行いました。その結果、異動は一時的に凍結されたものの、経営権を盾にとり現場の要求を一切受け入れないという強硬姿勢を貫きました。


法人側へ気持ちを届けるために


理想の職場環境を実現するには、法人側へ気持ちを届けなければなりません。しかし法人側は聞き入れる耳を持ちません。

『ストライキを起こさないと、わたしたちの気持ちは届かない』

全員一致でスト権を確立、法人側に無期限の全面ストライキを通告し、2011年9月26日からストライキを決行しました。ただし、利用者さんへの影響を考慮し、業務の遂行に必要な職員さんは就業した状態で行っています。

ここで改めて要求を整理してみます。

  • パワハラ・不当労働行為のない職場づくり
  • 職員の意見が活かされるシステム構築
  • タイムレコーダーの設置

いずれも決して無理な要求ではありませんし、直接的に費用がかかるものでもありません。


全員のねばり強い 『がんばり』 のもとに

労組加入からスト決行まで、決して短期間でたどり着いたわけではありません。しかし、働きやすい職場、やる気を出せる現場、現場の意見が大切にされる職場、これらを実現してこそ人命を守っていくことができるのだと信じていたからです。信じていたからこそみんなで声を掛け合い、ねばり強く行動できたのです。

また、ストライキ中に届く利用者さんの情報、さらには利用者さんからの直接の 『がんばれ』 という励ましのメールも、みんなの大きな力になりました。


勝ち取った要求実現


ストライキは三日間にわたりました。その結果すべての要求実現を勝ち取りました。

こうして、理想の職場づくりの第一歩を踏み出すことができました。今後も、利用者のみなさまによりよいサービスを提供できるよう、ご家族の方が安心していただける施設をめざしてがんばっていこう!という決意を固めています。